学会の座長とは?役割・演者紹介のセリフや謝礼まで解説
目次
学会の座長とは?
そもそも学会の座長とは?
学会等にあまり参加されない方は「座長」という言葉にあまり馴染みがないのではないでしょうか。
学会では、テーマごとにプログラムが組まれます。このプログラムの進行を行うのが「座長」です。プログラムの進行中は会場内の責任者と言えるような役割です。
座長メリットは?謝礼や報酬はもらえる?
はじめて座長を担当する方はどのようなメリットがあるか気になる方も多いのではないでしょうか。
残念ながら一般的には会員である座長には謝礼や報酬等は無いことが多いです。
参加登録も必要としている学会が多い印象です。
例外的には非会員に座長を依頼する場合などは謝礼や報酬がある場合があるかもしれません。
また金銭的報酬以外には学会の記念品が贈呈される場合などもあります。
座長を依頼されるということは学会にとって、また担当するプログラムの分野に造詣が深いと思われているということなので、学会へ積極的に貢献する意味でも引き受けるようにしましょう。
座長の服装は?
座長はステージに上がる必要があるので、一定のフォーマルさが求められることが多いでしょう。男性はスーツ、女性はジャケット着用が無難な選択です。
学会参加時の服装についてはこちらの記事もご参照ください
座長の人数は?
座長の人数は学会ごと、またプログラムごとで異なる場合があります。
一般的にはプログラムごとに1名〜2名で担当します。複数名が担当するのには座長が体調不良や会場に到着できないといったリスクを回避する目的があります。
また一般演題(名称を問わず公募される演題)では座長は少ない傾向にあります。
一例としては特別講演(ゲスト一人の講演)は1名、シンポジウム・ワークショップなどは2名、一般演題は1名などとする学会もあります。
複数人で一つのプログラムを担当する場合は前後半などで担当を分けることが一般的ですが、一緒に務める座長と相談して決まるようにしましょう。
期待される役割とは?
前述の通り座長は該当プログラムで時間内は責任者、管理者と言い換えることができます。演者の中に緊張している方がいる場合は緊張をほぐしてあげたり、演者がいない場合本部と連携をとって対応するなどトラブルへの柔軟な対応も必要となります。
通常、具体的には以下のような役割が期待されています。
演者の略歴紹介はプログラムによる?
それぞれの学会やプログラムによって事情は異なりますが、一般演題ではなく指定演題(特別講演、シンポジウム、ワークショップなど)の座長を務める場合は演者が発表を始める前にオーディエンスに演者の略歴紹介をすることがあります。
演者の略歴は事前に本部で収集していることが多いです。
一般演題では略歴紹介はせず、所属・氏名・演題名までの紹介とする場合が多いです。
タイムキーパー
学会ごと、会場ごとの設備によりますが、会場の座長席には時計やタイマー(計時回線)が設置されています。
発表者ごとに発表時間+質疑応答時間が定められているのであまり長くなるようであれば、全体の時間で柔軟に調整するのも座長の役割です。
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質疑応答
発表後に質疑応答時間が設定されている場合は会場内(フロア)から質問を募るのも座長の役割です。
しばしば会場内の参加者からは質問が出ないこともあります。そのような場合には座長が演者に質問するのも座長の役割です。
他の質問の呼び水になるような質問を事前に考えておくとスマートな進行になります。
一方発表時間が長くなり、質疑応答に時間が取れない場合は「時間が迫っているので一問のみ質疑を受け付けます」「セッション終了後に直接ご本人に質問してください」と言って次の演題に移る判断も時には必要となります。
ライブ配信では?
新型コロナウイルスが流行してからプログラムをライブ配信する場合もあります。ライブ配信が行われている場合、オンラインからの質疑を確認するのも座長の役割となることが多いです。
ポスター発表の座長の場合
発表時間内に自由に閲覧する方式か順番に回る方式かによって異なりますが、順番に回る方式の場合には参加者を率先して誘導するようにしましょう。
ポスター発表についての解説はこちらをご覧ください
必要な事前準備
できる限り発表内容を把握しておく
座長を受諾した場合は事前にご自身が担当する演題の内容を把握しておくようにしましょう。
内容を理解できていない場合、適切な質疑応答のファシリテーションが難しいこともあります。
質問を考えておく
前述の通り質疑応答がフロアから一つも出ないことがしばしばあります。その場合質問を投げかけるのも座長の役割とされているので事前に質問を用意しておくとスムーズな進行となります。
発表された演題の分野が専門外の場合には必ずしも深く踏み込んだ質問でなくとも、後述する一般的に使える質問を準備しておくと良いでしょう。
当日の流れ
一般的な当日の流れは以下のようになります。
座長には受付がある?
学会によっては口頭発表、ポスター発表を問わず、当日来場した際に受付が必要な場合があります。
特にポスター発表は座長用のリボンや指示棒などが用意されていることもあるので受付を通る必要がある場合が多いです。
事前に座長への案内を確認するようにしてください。
会場位置の確認
ご自身が担当するプログラムが予定されている会場の位置はできれば事前に確認しておいてください。
小規模な学会ではそれほど心配ありませんが、大規模な学会では建物自体が別々であることもあるので事前確認する方が無難です。
会場前方の「次座長席」へ着席
プログラムの10~15分前には会場内に到着しておくように案内がある場合が多いです。本部から必要な連絡や、座長の不在を避ける目的があります。
会場に到着すると次座長が設けられている場合にはそちらに着席するようにしましょう。一般的には座長席の近くの右手前方に「次座長席」などと表示されている場合が多いです。
反対の左手前方には次演者席が設けられていることもありますので打ち合わせが必要な場合はそちらを確認することができます。
挨拶に来られる場合も
事前に演者が挨拶に来られることもありますが、積極的に言葉を交わすとお互いがリラックスできるのでおすすめです。
プログラム初めの一言
プログラムを開始するのは座長の役割です。例文を後述します。
演者紹介
プログラムの性質によって演者の略歴紹介をしてください。一般演題では不要なことも多いです。
質疑応答
発表後に質疑応答時間が設けられている場合は質疑を募ってください。
発表終わりの一言
例文を後述します。余裕があれば総括するようなコメントも。
セッション終わりの一言
例文を後述します。特に拍手などは日本では一般的ではないことも多いので静かにプログラムが終わることも。
使える例文
座長の言い回しや、今すぐ使える質問はこちらの記事でまとめていますのでよろしければ参考にしてみてください!
「【例文あり】国際学会の座長で使える英語の言い回しやセリフ」
さて、セッションの始まりから流れをご紹介します。二人で座長を務める場合はお二人で話し合って柔軟に決めてください。
セッション始まり
「それでは時間となりましたので、[プログラム名]を始めたいと思います。私は座長を務めます、[所属名]の[氏名]です。よろしくお願いいたします。」
※二人の場合
「前半三席を私が担当します。」
演者紹介
「それでは、第一席を[所属名+職位等]の[氏名]先生(さん)にお願いします。演題名は[演題名]です。よろしくお願いいたします。」
「続きまして、第二席を[所属名+職位等]の[氏名]先生(さん)にお願いします。演題名は[演題名]です。よろしくお願いいたします。」
質疑応答
「興味深いご発表をありがとうございました。フロアにご参加の皆様で、ご質問やコメントがございましたら、フロアマイクで施設名と氏名と共にご発言をお願いいたします。」
※時間がない場合
「時間が迫っているので一問だけ質疑を受け付けます」
※本当に時間がない場合
「お時間ですので次の発表に移ります。質問がおありの方はプログラム終了後直接ご本人へお願いします。」
質問が出ない場合にでも使える質問
「このテーマに取り組まれたきっかけはどういったことだったのでしょうか」
「今後どういった発展や応用などを考えていらっしゃいますか?」
「スライドの○枚目について、もう少し詳しくご説明いただけますか」
セッション終わりの一言
「以上で発表はすべて終了です。ご発表いただきました先生方、ご出席の先生方、活発な質疑応答ありがとうございました。」
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Convention Connect
(コンベンションコネクト)
Convention Connect会議ディレクターです。数多くの学会運営準備、オンライン配信支援、ホームページ作成など実務の経験から学会開催に関するお役立ち情報を発信しています。
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