学会の参加証の印刷方法4選、オンライン発行の利点をご紹介!
目次
必須記載項目とオプションで検討すべき項目
学会の運営担当者になった方は今までに少なくとも複数回参加証は見た経験がおありの場合が多いのではないでしょうか。
一方、「記載すべき内容は大体はわかるけど、本当にこれでよかったっけ?」「他の学会で使っている参加証はどんなもの?」思われることもあるのではないでしょうか。
初めて参加証を作る方も経験が豊富な方も今一度、以下のような記載項目を確認してみてください。
それぞれの項目がどれだけ必要かは大会によりますが、ご参考として5段階で必須度を記載しております。
1. ヘッダー部分(大会名・ロゴ等)
必須度: 5
まず必要なのは大会名やロゴなどを載せるヘッダーです。
大会の顔とも言える部分で、テーマカラーや学会ロゴなどを入れる場合が多いです。
また運営者側のスタッフや出展者なども同様の参加証を使用する場合には、背景色にも意味を持たせて一目で区別できるようにする場合もあります。
青: 参加者、緑: 出展者、灰色: スタッフなど。
2. 連番や登録番号等
必須度: 5
続いて、登録番号等(例えば10001など)の記載もほぼ必須と言えます。
用途としてはまずは参加者からの問い合わせがあった場合に活用できることが挙げられます。
現地の受付では、例えばA窓口では10001 - 10300までを順番に使用し、B窓口では10301 - 10600までを使用するなどして、どの窓口を通った参加者の方かを確認することや参加証の残数管理にも使用できます。
また参加登録種別ごとに番号を変えることもあります。一般参加登録は10001 ~ 19999、招待者は20001 ~ 29999など。
3. 所属・氏名記入欄
必須度: 5
会場内で名札として機能する部分で、主に所属と氏名を記入する欄があります。
事前参加登録をしている場合は事前に印刷されている場合もあります。
当日受付の場合には「所属」「氏名」を空白にしている参加証を用意して、参加者自身でサインペンなどで記入します。
首から下げるネームホルダーの中ではこの部分が外部に見えている必要があります。
4. 参加証明書
必須度: 5
「第100回○○学会学術集会に参加されたことを証明いたします」
「第100回○○学会学術集会 大会長 会長 太郎」
として記載されている箇所で「参加証」「参加証明書」と呼ばれます。
この部分で所属元の機関等へ経費申請をする場合もありますので参加者の観点からこの部分も必須と言えます。
5. 角印
必須度: 4
公的な書類も脱印鑑化が進んでいることから必須度は低めにしました。
しかし一般的な感覚では未だに印鑑が押されていることが正式な書類であるという感覚は根強いので可能であれば載せるようにしましょう。
角印は数千円~で購入できますので大会を担当することが決まった際には購入を検討しましょう。
学会本体の角印を使用できれば良いですが、使用許可など難しい場合があるので大会単位で作成するのがおすすめです。
※角印は会社や団体の認印として日常業務に使用されるものです
実際の参加証に使用されるのはデータ化した角印の印影です。角印が入手できたらご自身で背景を透過したPNGデータを作成されるか、参加証の印刷先に相談してみてください。
6. 登録内容
必須度: 3
ここではランチョンセミナーや他予約制プログラムなどを記載することを想定しています。
名札の裏を入り口で提示して入場管理を行うなどの活用が可能です。
7. QRコード(二次元コード)
必須度: 3
「6. 登録内容」をQRコードで照会できるようにするためのコードです。
人の手や目視で登録内容を確認するのではなくバーコードリーダーで機械的に予約制のセミナーの入場管理をすることが可能となります。
デメリットは各会場入り口への読み取り機器の設置が必要となる点です。
8. 領収書
必須度: 1 - 5(領収書発行の方法により)
インボイス制度との絡みで注意が必要なので後述のパートで解説します。
現地参加の学会では領収書が参加証と一体型になっている場合が多いです。
別途領収書を受付で発行すると一人当たりの受付時間が長くなるのでこのような方式が取られる理由の一つです。
領収書と大会側で保管する領収書の控えの部分が必要です。
領収書の控えは切り離して保管するので、領収書の控え部分は切り取り線を入れてもらい簡単に切り離せるように印刷会社へ依頼すると良いでしょう。
オンラインで別途領収書が発行できるシステムがある場合には領収書を参加証につける必要はありません。
参加証の印刷パターン4選、それぞれのメリット
では参加証の印刷にはどのようなパターンがあるのでしょうか。
どのような場合にどのパターンを選択すれば良いかご参考に判定フロー図をご利用ください。
以下の画像にまとめを載せております。
パターン1 事前印刷(一部印字)
事前に参加証を印刷しておくパターンです。
事前参加登録を行う場合や招待者には登録内容に応じて印字まで行うこともあります。
参加者へ事前発送の抄録集などがある場合は一緒に郵送します。
当日現地登録の方には所属・氏名欄が空欄になっている参加証をお渡しします。
メリット:
事前発送ができると当日の現地受付を必ずしも通る必要がなくなるので混雑解消になります
デメリット:
参加者が持参するのを忘れてしまうことも
参加者数以上に多めに印刷しておく必要があること
開催形式による向き・不向き:
印刷して名札として使用するので、オンライン開催の場合はメリットが大きくないでしょう。また印刷が当日に間に合うようにオンラインでの参加登録はどこかで締め切る必要があります。
ハイブリッド開催(現地+オンライン開催)の場合は領収書が重複しないようにする必要があり運用面で注意が必要です。
パターン2 当日現地のみで印刷
現地受付にプリンターを設置、オンライン参加の方はウェブ上で参加証が必要な方はダウンロードする方法です。現地ではQRコードや登録番号等で受付を行います。
各窓口に人がつくパターンと無人で対応するパターンがあります。
前提としては事前参加登録を行う大会に向いています。(※当日現地でPCを用意して入力氏名・所属を入力するより、手書きの方が早いので)
メリット:
当日現地にプリンターがあるので機動的な対応が可能。
デメリット:
受付の通貨が朝に集中するようなプリンターを増やす必要がありますが、台数を増やすと費用が増えることもあります。
開催形式による向き・不向き:
個別の事情にはよりますが現地のみで開催される場合はパターン1の方が費用を抑えられる可能性が高いです。
オンラインが主体で現地が少数の場合費用も大きくかからない可能性があります。
現地にプリンターを置くパターンなのでオンラインでのみ開催する大会には合いません。
パターン3 オンラインでのみ発行(参加者が印刷)
参加者自身に参加証を印刷してもらうパターンです。現地参加で必要な方は自身で印刷して会場へ持参します。
メリット:
大会としての費用削減
デメリット:
参加自身の作業が発生すること、またプリントアウトし持参することを忘れる方も
開催形式による向き・不向き:
オンラインを主体として現地には少人数参加の会の場合には検討しても良いのではないでしょうか。
現地を主体とする場合にはやはり前述のパターンで大会側で印刷するメリットが大きいでしょう。
パターン4 事前発送 + 現地印刷
パターン1の派生バージョンで事前参加登録は事前発送とし、当日登録、紛失した場合、持参し忘れた場合などのために1、2窓口分のみを現地印刷ができるプリンターを用意しておくパターンです。
メリット:
受付の混雑解消
デメリット:
プリンター費用がかかる
開催形式による向き・不向き:
現地にプリンターを設置する前提となります。
パターン1とパターン2の良いところ取りなので予算に応じてぜひ検討してみてください。
領収書部分のインボイス対応
前述した通り領収書部分には注意が必要です。2023年10月よりインボイス制度が始まり、様々な取引に影響があります。
適格請求書発行事業者である場合、領収書部分は適格請求書の要件に合致するものを発行しないと、仕入額控除に算入することができません。
言い換えると正しくインボイス対応ができないと参加者の方が消費税を多く納める可能性があるということです。
参加費が課税取引にあたるのか、また団体が適格請求書発行事業者にあたるのかは以下の記事で確認してみてください。
「学会の参加登録費・会費には消費税がかかる?インボイス制度対応まで解説」
適格請求書の要件は下記のとおりです。
- 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
こちらの画像は適格請求書の要件を満たしていません。(登録番号や税率、消費税額等が記載されていない)
その場で受付担当の方が計算して手書きするのも現実的ではないので、当社では参加証に領収書部分はつけずに別途オンライン発行されることをおすすめしております。
参加証の大きさのおすすめ
参加証の大きさを決めるには、まずは現地で使用するネームホルダーの大きさを確認してください。
以前使用していて余ったものがある場合やスポンサー企業からの物品提供がある場合などもありますので事前に確認が必要です。
一般的な大きさは名刺が入る大きさで横91mm × 縦55mmのもの、ハガキサイズのもので横110mm × 縦108mmのものがあります。
ネームホルダーをお持ちでない方は「ネームホルダー」「ネームカードホルダー」などと検索していただければ複数ヒットします。
購入の際はネームホルダーの「内寸」や「適合サイズ」と書かれている部分をチェックしてください。「外寸」はネームホルダーの外側の大きさなのでご注意ください。
紛失した場合
よく参加者が参加証を紛失してしまうことがあります。
この場合どのように対応すべきでしょうか。
名札部分
名札部分は会場内で必要なので可能であれば再発行をお願いします。
参加証明書
特に再発行依頼があるのはこの部分が多いのではないでしょうか。経費精算などに必要な場合もあるのでこちらも再発行するのが望ましいです。
領収書部分
領収書が無くなると経費精算ができなくなります。お互いに二重計上を避けるためにも再発行する際には「再発行」など再発行したことがわかるようにすることが必要です。
参加証はいつから検討する?
参加証の発行方法は大会の担当が決まった際には、どのパターンでいくか方向性を決めておくのがベストです。
なぜかというと参加登録と参加証発行システムが一体となったシステムが便利だからです。
参加登録と参加証発行を別々のシステムで行なってしまうと不要な出費が増えることもありますのでまずは一体型を検討してみてください。
その他印刷の場合でも郵送費を抑えるためには参加証と抄録集と一緒に発送する必要があるので遅くとも2ヶ月前には参加証の制作を開始するのがおすすめです。
少人数セミナーなどで当日窓口で参加証を手渡しする場合にでも時期によってはデザインから納品まで1ヶ月程度かかる可能性がありますのでご注意ください。
学会の参加証印刷会社3選
ここまでは参加証自体の解説が中心でしたが、実際の印刷を担当できる会社をいくつかご紹介させていただきます。
Convnention Cloud
学会・研究会専用のシステムConvention Connectを運用しているので、ウェブ上の参加登録と現地の参加証発行がシームレスに対応できます。
領収書はインボイス対応でウェブ上で発行できます。
QRコードでのリアルタイムの入退場管理も可能です。
パターン1からパターン4までの全てのパターンに対応しているので、どのパターンが良いかまずは担当に相談してみることをおすすめします。
学会印刷ドットコム
注文から発送まで3営業日以内に対応。テンプレートも配布されているのでお好きなデザインでの発注が可能です。
名入れにも対応しており、明瞭な料金表と納期があるので一度確認してみてください。
※最新の情報はホームページにてご確認ください
セカンド
参加証の制作実績を多数掲載されていらっしゃいます。名入れ印刷にも対応しており、抄録集の印刷も依頼することができます。
見積もりでの対応となります。
※最新の情報はホームページにてご確認ください
参加証対応の参加登録システムは?
ここまで参加証にまつわることを様々ご紹介してきましたが、一番おすすめは領収書部分はウェブで別途発行し所属と氏名と参加証明書部分を印刷するパターンです。
2023年10月から始まったインボイス制度に対応しており課税、不課税かは項目ごとに設定可能で自動的にインボイスに対応した領収書が発行されるので適格請求書発行事業者である場合もそうでない場合も安心してご利用いただけます。
Convention Connect(コンベンションコネクト)ではクレジット決済や銀行振込の自動消し込みが可能な事前の参加登録から参加証の発行までワンストップで対応可能、印刷の4つのパターン(事前・現地印刷・オンライン印刷)すべてに対応できます。
その他演題登録やホームページ作成、ハイブリッド開催のためのライブ配信やオンデマンド配信機能もついています、
まずはお気軽に担当にご相談ください。
Convention Connect
(コンベンションコネクト)
Convention Connect会議ディレクターです。数多くの学会運営準備、オンライン配信支援、ホームページ作成など実務の経験から学会開催に関するお役立ち情報を発信しています。
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